玄米に含まれる栄養成分と健康効果

玄米とは?構造と特徴

玄米とは、精米をしていないお米のことを指します。
組織構造的には、外側から「外糠層(果皮・種皮)」「内糠層(糊粉層)」「澱粉層」となっています。
果皮から糊粉層までの糠層は、重量比で玄米全体の約5~6%ほど。その部分に胚芽の約2~3%を足した約7~9%が「糠(ぬか)」と呼ばれる部分です。

この糠層や胚芽には、ビタミン、食物繊維、微量栄養素など、玄米の栄養素のほとんどが含まれています。
そのため、精米によってこれらを取り除いてしまう白米よりも、栄養面では優れているといえます。
玄米の見た目は茶色く、味は白米よりやや硬め。ぬか特有の風味がありますが、これが玄米ならではの香ばしさとして好まれることも多いです。

玄米に含まれる栄養素

玄米には、ビタミンB群、ビタミンE、ミネラル、食物繊維などが豊富に含まれています。
特にビタミンB1は糖質をエネルギーに変える働きがあり、疲労回復にも効果があるといわれています。
ビタミンB6やEはホルモンの分泌を促し、肌や粘膜の健康維持、血行促進、抗酸化作用にも関係しています。

玄米100gあたりには食物繊維が1.5g含まれています。
不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方が含まれ、便のカサを増やして腸を刺激し、排便を促す作用があります。
また、玄米に含まれるポリフェノールには抗酸化作用があり、大腸がんの予防や認知症予防効果も期待できるといわれています。

糖質に関しても、玄米100gあたりで34.2gと、白米と比べても大きな差はありません。
カロリーも白米よりわずかに低く、100gあたりの差は約4kcal程度。
ヘルシーなイメージのある玄米ですが、摂り過ぎるとカロリーオーバーにもつながるため、適量を意識して摂ることが大切です。

玄米と白米の違い・食べ方のポイント

白米は精米の過程でぬかや胚芽が取り除かれるため、ビタミンB群や食物繊維といった重要な成分が失われます。
そのため、白米中心の食生活では、現代人に不足しがちな食物繊維やビタミン類を十分に摂取できないことがあります。

一方、玄米は精米していないため、ビタミンやミネラル、食物繊維をそのまま摂取することができます。
とくに便秘気味の方や血糖値が気になる方にはおすすめです。
また、ビタミンB群は糖質代謝を助ける働きがあるため、エネルギー不足や倦怠感の改善にも役立ちます。

ただし、玄米は消化に時間がかかるため、体質や胃腸の弱い方は注意が必要です。
食べる際はよく噛んでゆっくりと食べること、または発芽玄米など消化しやすい形で取り入れるのも良い方法です。

健康効果とまとめ

玄米には、肥満や糖尿病、生活習慣病の予防にも効果があるといわれています。
ビタミンB群が糖質代謝を助け、ミネラルやポリフェノールの抗酸化作用が体内の老化防止に寄与します。
さらに、食物繊維が腸内環境を整えることで、免疫力アップや肌トラブルの改善にもつながります。

白米と比べるとやや食べづらい印象を持つ方もいますが、その分栄養価の高さは格別です。
現代人が不足しがちな食物繊維やビタミンを補うためにも、日常の食事に上手に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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