子供が野菜を嫌う理由
子どもと野菜の関係
子どもは野菜もんの見た目で「食べるか食べないか」を判断します。特に色の濃い緑黄色野菜もんは、見た目のインパクトが強いため、子どもに「苦手」と思われやすいです。これは、子どもにとって強い色は「味が濃そう」や「苦いかもしれない」と直感的に判断されるからです。
そのため、切り方を変えたり、ピックや飾りを使って見た目をかわいらしく工夫することが大事です。こうした工夫をすることで、「食べてみようかな」という前向きな気持ちを自然に引き出すことができます。また、色だけでなく形や盛り付けも、子どもが食欲をそそられるポイントとなります。
香りの工夫で食べやすくする
知らない食べモンを目にすると、子どもは本能的に安全性を確かめるために香りを嗅ぎます。香りが強すぎると、せっかく作った野菜もんを食べずに終わってしまうこともあります。
特に香りが強い野菜もんの代表例として、春菊、ししとう、ピーマンがあります。これらは子どもにとって「苦手な香り」とされやすく、最初の印象で避けられてしまうことが多いです。
香りを和らげる方法としては、炒める、炊くといった基本的な調理法に加え、下茹でしてから調理すると苦味や香りをやわらげられます。また、冷凍保存すると香りや苦味が少し落ちるため、少しずつ慣れさせる工夫としても有効です。
味と食感も重要
カゴメの調査によると、子どもが野菜もんを苦手とする理由の第1位は「味が好きでない」、第2位は「食感が好きでない」となっています。種や皮が多い野菜や、セロリのように繊維が多い野菜は食べにくく、苦手とされやすいです。
この場合、野菜を細かく切ったり、よく煮込むことで食べやすくすることができます。酸味や苦味も子どもにとっては慣れない味であり、腐敗や有害を知らせるサインとして本能的に避ける傾向があります。
苦味の強い野菜は、油でコーティングしたり、下茹でして冷凍保存するなどの工夫で少しずつ慣れさせることができます。酸味が強い場合は、乳製品と組み合わせてマイルドにすると食べやすくなります。
無理強いは逆効果
親心で「好きじゃない野菜もんを食べさせたい」と思っても、無理やり食べさせようとしたり、「食べへんとオヤツなし」といった罰を与えるのは逆効果です。こうした方法は、苦手な野菜と嫌な記憶が結びつき、野菜への苦手意識を強めてしまいます。
御膳の時間は楽しく過ごすことが大切です。たとえば、家族で楽しく食卓を囲み、「おいしいね」と会話したり、親が楽しそうに野菜を食べる姿を見せることで、子どもも自然に野菜に親しむようになります。また、食卓で褒める言葉をかけるなど、心理的に安心できる環境を作ることも重要です。
子どもの野菜好きが将来につながる
子ども時代から野菜が好きだった場合と、嫌いまたは普通だった場合を比較すると、大人になってからの1日あたりの野菜摂取量に差が出ます。子ども時代に野菜が好きだった方は、大人になっても野菜を多く摂取しているという調査結果があります。
逆に、子ども時代に野菜が嫌い、または普通だった場合、大人になってからの1日あたりの野菜摂取量は約13g少なくなることがわかっています。こうしたことから、子どものうちから野菜に親しむ習慣を作ることは、将来の健康や食生活の安定にもつながる大切なポイントです。
