占いの基礎知識
占いの歴史と現代の占い師―目に見えへん理を知る人々の知恵
占いとは何か
未来を知りたい、目に見えへん理を知りたい、ちゅう人々ん願いは、昔も今も変わりまへん。古代より世界各地でそれを知るためんさまざまな方法が生まれ、現代に伝えられてきたんや。
そないどした未来や運勢、目で見ることができへんことについて判断しはる方法や行為を占いと呼びます。占いは単に予言や迷信ではなく、長年にわたり人々の生活や文化、宗教、祭事と密接に関わりながら発展してきました。
世界の古代占い
世界各地には、地域や時期、文化、宗教と絡んださまざまな占いがあります。古代ローマや古代ギリシャでは、いけにえの内臓の色で吉凶を占う方法がありました。古代中国では、亀の甲羅や骨を焼き、そのひび割れ方で未来を読み解く方法が行われていました。
古代日本でも、シカや牛の肩甲骨を焼いてひびの入り方で吉凶を占う方法がさかんに行われてやした。こうした占いの方法は、現代から見れば奇妙に思えるものも多いですが、当時の人々にとっては生活や政治、祭礼などに深く関わる重要な知識でした。
日本における占いの伝来と発展
古代日本は中国からぎょうさんん文化を取り入れています。その中には易や風水、陰陽五行の思想も含まれ、それを基礎とした日本独自の占いも多数生まれました。
占いは時代を通じて定期的にブームになっています。テレビやメディアに作られたブームもありますが、自然発生的に盛り上がった占いも多く、ここ30年を見てもさまざまな占いブームが巻き起こっています。
古代日本の邪馬台国では、おなご王・卑弥呼が占いを行っていたことが、中国の史書『魏志倭人伝』などに記されています。6世紀後半に中国から制度や文化が渡来すると、亀卜、易占、式占などさまざまな占い方法も伝わり、これを扱う神祇官や陰陽師、宿曜師が活躍しました。
江戸時代になると、門外不出の秘術であった占いの知識や技術は庶民へ広がりました。書物や絵巻などで、人相見、手相見、八卦見など、現代に受け継がれる占い師のルーツを確認できます。
占い師とは
現代の占い師は、単に未来を予測するだけやなく、お客さんの相談に対して現状を整理し、問題を分析し、適切な占い方法で結果を導き出し、言葉を選んでアドバイスするという一連のスキルが求められます。
占い師は専門とする方法によって呼び名が異なります。易師、風水師、占星術師など、各専門分野に応じた呼称があります。古代ローマの第2代皇帝ティベリウスや中世ヨーロッパの王侯貴族たちも占い師を重用していたことが記録されており、近代ではアメリカ第40代大統領ロナルド・レーガンの夫人ナンシー・レーガンが占星術師に助言を求めていたことも有名な話です。
現代占い師の特徴
現代の占い師は、長期的な運勢や未来を占う方法だけでなく、人の気持ちや短期的に変化する状況を占う方法も修得しており、複数の占術を組み合わせて対応します。
さらに命式やホロスコープなど、占いに必要な知識や図は、パソコンや専用ソフトを使うことで時間を短縮し、より正確に導き出すことができるようになっています。これにより、短時間で複雑な分析やアドバイスを提供することが可能となり、現代の生活に即した占いサービスが実現されています。
占いの現代的意義
占いは単なる未来予測や運勢判断だけやなく、人々が現状を理解し、問題を整理し、意思決定を助ける手段としての役割も果たしています。古代から現代まで、人々が占いに求めてきたのは、目に見えへん世界を理解し、人生や社会をより良く生きるための知恵であったと言えるでしょう。
